「高い、大きな、暗い土手が、何処から何処へ行くのか解らない、静かに、冷たく、夜の中を走っている。」と始まる内田百間の「冥途」を、新感覚の絵と色彩で表現。画家の視点が再構築する幻想と不思議の異世界。他全6編。

内田百閒は脳内の映像と直結している。
映像というより、頭の中で映画のように映し出される。彼に影響を受けた作家、映画監督は数知れず。黒澤明、山本直樹・・・その中でも私はこの文庫の中の「件（クダン）」がずば抜けてスキだ。

焦燥感から開放感に変わるあの精神的なからくりが何とも気持ちいいんです。
一気に読むと辟易するのでご注意を。

収録作品：花火、尽頭子、烏、件、柳藻、冥途
[遠藤　香]

延べ１０万人が訪れた、今はなき伝説のインターネットサイト『寿司とマヨネーズ』よりマヨ日記を収録。『支配と従属』のめくるめく官能世界。切なく哀しい明日なき純愛ドキュメント。
ハジメテSM物を読んでみました。今まではS=サドM=マゾの意味しか知らなかったのでS=slave（奴隷）M=master（主人）という意味をはじめてこの本で知りました。こんな愛の形もあるのだなー。究極かもなーと、頷くばかりの一冊でした。
[遠藤　香]

幼少の頃親に初めて見させられた映画が「エレファントマン」、次がこの「ブリキの太鼓」でした。
幼心に妙にショックだったのを覚えていて、ずっと避けて通っていたのですが先日とうとう見てしまいました。・・・これは嫌だ。
幸せな気分で終わる映画がいかにアバウトな記憶になる事か、つくづく実感しましたよ。
嘔吐を誘うような不快感や嗅覚を持った映画は数多けれど、この映画って直感的に見たくないものや、避けたいものがストレートにドーン！
・・ああ、親よ、ありがとうといった所で。
[遠藤　香]

ファンタスティック・プラスティック・マシーン田中氏によるイタリアンラウンジセレクション第一弾。聴いたこともある曲が多いかも。個人的には第二弾よりこっちの方が好きですね。ピリッとした感じが好感持てます。
お茶とか飲みながらループでかかってても全然嫌じゃないし、休日とかになんとなくかけていたいCD。私の定番だったりします。
[遠藤　香]

ハジメテミュージカルまで見に行ってしまった映画。
グラムロックのゴージャスでセクシャルな世界に散りばめられた，B級ホラーやSF映画へのオマージュ。一言で言うと破廉恥バカ騒ぎもの。
ブロードウェーなどで公開されたものの、かなりの不評をあびたが、映画化から27年経った今でも、世界各地で上映(もちろん観客参加)が続いている。
華やかしい場所で見るものではなく、中野等の小さな映画館でビールを片手に大騒ぎで見るものなのかもしれませんね。
[遠藤　香]

ハジメテはまったゲーム。
1989年にFAMILY COMPUTERで1作目、1994年にSUPER FAMICOMで2作目が発売された有名作。場面はポップで可愛らしく、2では涙が出るほど感動してしまう。
現在はゲームボーイアドバンス1と2の入ったソフトが購入可能。
発売からかなりの年月が経っていますが、その内容に古臭さは全く感じなくいつまでも新鮮なロールプレイングゲームだと思います。

[遠藤　香]

ハジメテ買った高級鍋。
保温性が素晴らしく、均一に熱が伝わる為オーブンにも揚げ物にも最適！
勿論電磁調理器にも使えるので買い損はなし。おしゃれな色の中から選べるので手持ちの食器の色などを考えて買うといいかもしれません！暖色系の鍋の方が料理が美味しく見えますよ♪
[遠藤　香]

ググンと人気を集めるイラストレーター　カンバラクニエさん初の作品集「RESET」。大学生の頃にFM802の公募で注目を集め、イラストレーターの道へ。しかし急激な人気で、描く事の楽しさと仕事として描く事などの気持ちが折り合わず、しばらくスランプ状態だった彼女でしたが、そんな気持ちをリセット！ということで、この作品集のイラストを全て書き下ろし、見事な復活を見せてくれてます。独特なライン取りと、躍動感溢れる構図、そして表情に注目してください。とてもしっかりした作品集だと思います。

[堀江　健太郎]

きっと誰でも知っているとは思います。「民さんは野菊のような人だ。」のくだりは名場面。初めて読んだ時にはフムフムという程度だったんですが、とある時にもう一度読んだのです。その時に民さんの健気さが、より悲しさを助長させて号泣してしまいました。もう…涙で滲んで本が読めないじゃないか！というくらい。本で泣いたのはこれが初めてだと思います。

たまに電車の中で本読んで泣いてる人を見ますが、家でゆっくり感情に浸ればいいのになーって気になります。

[堀江　健太郎]

初めてのオール辛酸の解体書。
ひがみ・嫉妬・卑屈を飛び道具としている「ガーリー」異能作家、辛酸なめ子のすべて。内容は30年完全ヒストリー、撮り下ろしファッショングラビア、岸田繁(くるり)とのセッション対談、辛酸なめ子解体新書等。
知りたいような知りたくないような内容ですが、他人の日記を覗き見るような面白さです。
[遠藤　香]

「あの長いスキージャンプの板に、ひとりで乗ってジャンプするのはもったいないと思いませんか？」
作者・真島理一郎のそんな発想から生まれた専門学校の卒業制作が、アニメーションの最高権威アヌシー国際アニメーションフェスティバル入選をはじめ、世界28か国の映画祭を虜にした恐るべき作品となった。
限りなくおばかで、完成度の高いCG。その馬鹿さ加減に私もとりこになりました。
初めて買ったDVDなのですが、これが一番お気に入りです。
[遠藤　香]

キリンジが、初のセルフプロデュースによる5thアルバム。初のセルフ・プロデュース、初のセルフ・カヴァー収録、初の洋楽カヴァー収録。
かせきさいだぁに提供した「午後のパノラマ」等収録。アーティストに提供した楽曲も、堀込兄弟だと「こんなにも違うのか！」と思わせるほど。

キリンジファンもそうでない方も、休日の午後にぴったりの一枚です。

[遠藤　香]

大人になってはじめて買った絵本。
スズキコージならではの世界観で、物語の文章記述はありません。全て「サルサ！」「ビルサ！」の言葉でストーリーは展開されます。
言葉で言い切り、内容を子供に納得させるより、お話の無い絵本で子供に「想像」させることもすごく大事なんではないかと思わせる一冊。

大人でも十分に楽しめます。

[遠藤　香]

画家として世界中で有名になった奈良美智が、作品製作のかたわらで取りためてきた写真をまとめた初めての写真集。日本やドイツのアトリエの風景や、絵の中にも登場してくるような子供たちが満載。

奈良美智ワールド好きにはたまらない一冊です。
何の気なしに、パシャパシャと撮りためたような絵日記のような仕上がりになっています。

[遠藤　香]

広告っぽいですが、広告じゃなくてお勧めです。私の好きな名古屋のイディペンデントレーベル"abcdefg*record"から初めてのCD付雑誌がタイミングよくリリースされたのでご紹介。所属レーベルのバンド総出で作り上げた雑誌というので、知らない人には入門書として、知ってる人は飛びつかずにはいられない雑誌となってます。付録のCDも全曲未発表音源というか、この本の為に作った曲、バンドの垣根を越えたコラボサウンドなどかなり貴重な内容。全11曲収録＋雑誌で今なら創刊号特別価格の2280円ということで、雑誌がメインなのか、CDがメインなのかわからないけれど、牛丼徳盛りなのに値段は並みたいな、牛丼のなくなったこのご時世に時代遅れな例えですみませんが、それくらいお得なのでは？ということでお勧めです。
[堀江健太郎]

CECILというインディペンデントレーベルのグループ。ジャケットのイラストが見たことあると思った方も多いと思います。orange pekoeやthe Indigoのジャケットも手がけるイラストレーターさんと同じ方なのですが、そのイラストレーターのカンバラクニエさんもこのCECILのデザインワーク担当としてメンバーの一員なのです。つまり、音楽だけでなく、ビジュアルも含めた全てがCECILであって、そのつながりがまたばっちり噛み合ってるから素敵なんです。

ウィスパーまでもいかないけれど女の子らしいボーカルと、詞の世界。メロディーはいろんな曲調があるのに、どれもCECILっぽくなってしまうから不思議です。このCDのタイトルとなっている「super”shomin”car」は歪んだギターも加わったノリのよい曲となっていて、映画「下妻物語」では監督からの要望で挿入歌として採用もされました。

で、初めてな部分はこれがデビュー作ではないのですが、いままではミニアルバムでリリースだったのですが、これが初めてのシングルCDというわけでした。
[堀江健太郎]

劇映画で初めてコンピューターグラフィックを使用した映画。これが初のCGなのかと驚く作品です。いまやCGなくして映画は成立しなくなってきている時代ですが、そんな高技術のCGを見ている現代でも遜色なく見ることの出来る映画です。あらすじとしては暴走した人工知能を制御しに行く話なんですが、ストーリーよりなによりこの映像美をぜひとも見て欲しいです。エレクトリックな世界観はあらゆるシーンで引用されたり、アーティストのPVやクラブでVJが素材として使用していたりするのをよく見ます。それくらい現代でも一目置かれる映画「トロン」。実はこの映画ディズニーの製作なので、お子様でももちろんお楽しみいただけます。おすすめです。
[堀江健太郎]

私はWebデザインが職業なので手に取ることができない仕事なのですが、この本は初めての手に取れる仕事です。といっても、どの辺に関わったかといえばこの表紙の写真加工というだけなんですけどね。制作に名前も入らない仕事でしたけど、手に取れる仕事っていいなーとこの時思いました。　

内容はコケ、シダ植物を中心に、お部屋の中で身近な器を使ったガーデニングを楽しもうという内容。苔玉の作り方が載っていたり、おしゃれな雰囲気で仕上がっております。
[堀江健太郎]

今週末から「スウィングガール」が上映され、「ウォーターボーイズ」で世間に名を広めた話題の矢口監督デビュー作。デビュー作といってもすでにこの時から矢口ワールドは完成されたもので、いくらみても飽きない面白さ。あえてチープに撮影する方法もこの頃からかわりません。ひたすら不幸で、ひたすら元気な主人公をみていると、そんな状況が面白く見えてしょうがなくなってきます。ある意味ロードムービー的な後半になるにつれテンポアップしていく展開にも注目です。
[堀江健太郎]