岡山県 [前編] Vol.01
初めて踏みしめる土地。晴れの国「岡山」で、豪雨に見舞われてきました。
夏の旅行はどこにしようか考えていると、なんだか岡山というキーワードが頭を離れない。でもいったい岡山には何があるの?フムフム、調べてみると意外と観光もありそうだし素敵な所だわ。JALのバースデー割を利用すれば全国各地へ12,000円で行けたのに、1週間前に予約をすれば誰でも10,300円で行ける岡山へ、バビューンと初上陸してまいりました。
Text:堀江健太郎
5:32の電車で羽田へ向かう。誰もいない地下鉄はちょっと怖い。
どうせ旅をするなら長い時間旅したい。たとえ朝が早くとも、飛行機は一番早い便を予約。羽田空港7:25発岡山空港行。5時起床で向かうつもりが、旅行すら危ういくらいギリギリまで仕事が押して、結局寝ずにそのまま羽田へ。幼い頃に「男の子なんだから!」と母に泣くなと言われて気張るように、「旅行なんだから!」と思うだけで、眠気もダルさも楽しさに変わるから不思議です。
飛行機は生涯2度目。今回飛行機へはバス移動で、これは初めて。空港の広い敷地をバスが走る。見える景色は街とは違うし、少しワクワクと子供の気分。外を眺めているうちにバスが到着。しかし到着した飛行機はいままで見てきた飛行機ではなく、ひとまわり小さい飛行機。2度目だし余裕なつもりが、少し不安になりました。それでも乗ってしまえばそれほどの緊張もなく、1時間ほどで岡山空港に到着しました。
岡山はあいにくのどんより空。ひと雨降ったあとなのか、すごい湿気でムワッとします。
岡山へ着くとモワッと蒸し暑い。肌にまとわりつく空気が気持ち悪い。空港でさっそくレンタカーを受け取る。レンタカーを借りるのもこれが初めて。書類上の説明を受け、車の確認。傷やへこみをチェックして、気付いたところを報告。それ以外の傷を付けて返却すると、修理代が発生するということなので丹念に見て回る。確認も済んで鍵を受け取り、いよいよ出発! ワイヤレスキーでUNLOCKを押す。と、後ろの車の鍵が開く。あれ?もう一度押す。やっぱり後ろが反応。「すいませーん!」と事務所へ引き上げていた係員を呼び、鍵を変えてもらいようやくUNLOCK。したつもりが、再び後ろの車のウィンカーがチカチカチ。これはドリフのコントですか?どうやら係員が、鍵ではなく車を間違えていたらしい。おぃおぃ、さっき丹念にチェックしたのは無駄ですか?しかも係員はすっかり勘違いしていたようで、後ろの車は鳥のフンが落ちていたりと汚い。書類を書き直してくれるのかと思ったら、この車の傷をチェックして下さいというので、汚れを指摘して落としてもらい、今度こそ出発したのであります。
車を走らせたものの、どこへ行こう?大まかに見たいものは決めていたけど、スケジュールまで決めていなかったので、とりあえず岡山駅を目指してみる。しばらく何もない田園風景が続くので、まだ岡山に来た実感が全然しない。しかも走り始めてしばらくすると雨が降り始め、岡山駅近くになったら前方の視界も霞む暴雨。雲行きも先行きも怪しい出だし。岡山駅近くにも来てしまったので、次は瀬戸大橋を目指す。レンタカーにはナビが付いているので、知らない土地でも怖いもの知らず。こういう時にナビの便利さを改めて実感。しかしナビの指示が分からず何度も道を間違え、30分ぐらい同じ地域をグルグルしてた。念願の瀬戸大橋も物凄い雨。誰の指示もなく法定速度よりも遅く走るくらいスゴイ雨。景色も何もあったもんじゃない。でも、遠くの空は青空。不思議な天気です。
天候は降ったり止んだり、ぐずぐずです。サービスエリアで昼食を食べている間に少しだけ晴れて、瀬戸大橋も綺麗に見えました。
瀬戸大橋を渡れば香川県です。目的地は「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」。以前雑誌で見て、見たい展示をやってたのですが、地方だからと諦めていたのです。岡山に行くと決めてからそのことを思い出し、棚からぼた餅的に行けることとなりました。もちろん初めて行く美術館。到着すると思った以上に立派な建物でいい意味で肩透かし。入場してまずは常設展を見て回るのだが、展示もいいのだけど、とにかくこの美術館自体の建築物に物凄い心を奪われました。 こんな素敵な展示空間を見たことない。美術品に日光は敵なので、美術館は窓がないのが通例なのに、この美術館は光が直接入らないように作ってあるものの、間接的に自然光が入ってくる造りなので、より光がやわらかく室内を照らし、吹き抜けの空間がより広く感じられ、なんとも素敵な空間に演出されてるんです。見たかった企画展も面白かったし、予想を遥かに上回る満足度。この場所を離れるのすら心苦しいくらいで、思わず併設のカフェでお茶をしてしまいました。
美術館は丸亀駅前。周りはあまり何もありません。 美術館の渡り廊下。この先に併設のカフェがあり、この時の企画展作家が展示に併せて作ったデザートもありました。 美術館前は大きな広場になっていて、モニュメントがいくつか点在している。見たかった企画展の「やなぎみわ」という作家の「少女地獄極楽老女」。内容もとてもよかった。
喫茶店というよりも、しっかりしていてカフェという雰囲気。チーズケーキはネットリ系でした。
広場や壁面の絵は、この美術館の名前でもある猪熊さんが制作したもの。猪熊さんは「マティス」の弟子として絵を絵勉強していたそう。
ゆっくり、のんびり満足な時間を過ごし、あとは再び岡山県へ戻り、お宿の倉敷へ向かいます。しかしそこには大きな罠がありました。ものすごい眠気が押し寄せてくるのです。。そういえばすでに24時間以上起きていることに気付く。瀬戸大橋でもウトウトです。瀬戸大橋の柵は観望の為か、驚くくらい低く、これに突っ込めば間違いなしに瀬戸内海に落ちるだろうなと、その恐怖だけがなんとか神経をつなげてくれました。限界ギリギリで無事お宿へ到着。当初の予定では、夜は「美星町」の天文台へ天体観測の予定だったんですが、あいにくの雨。雨どころか雷までゴロゴロいう始末で、夜に余裕ができたので仮眠をとり、しばらくしてお宿の近くの飲み屋さんで地酒をいただき、長い旅の初日は終了です。
ハジメテノ岡山県[後編]はまた来週。
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