結納

Vol.04

嫁ぐ娘に震える父。結納っていったい何なの?
結納・・・それは結婚という二文字が関係のない暮らしをしている私が未知の儀式。
それにしても、「あかし」としての品って何なんでしょう?
Text/Photo:遠藤 香
今回の結納の主役。
お馬鹿な二人も結納では神妙な面持ち。
結納・・・それは結婚という二文字が関係のない暮らしをしている私が未知の儀式。
そもそも結納というのは婚約成立のあかしとして、男方から女方へ金品を渡すことらしく、イメージ的には「嫁を買いにくる」といった感じでしょうか(当人には怒られそうですね)。
それにしても、「あかし」としての品って何なんでしょう?

偶然にも北海道に住む妹の結納式があったので、ちょっと失礼して拝見させていただきました。
北海道形式の結納なので、他地域とは異なるかも・・・?
■結納品(9点セット)
目録-結納に贈る品物を書き、儀式の際相手に渡す。
共白髪-白くした麻の束です。共に白髪になるまでという長寿の願いと、麻のように強い絆で結ばれるという意味で、夫婦円満の願いが込められた品。ちょっと気味が悪くも見えます。
-祝いには酒ですね。(勝手に飲もうとして怒られました。)
末広-扇子。地域によっては当て字を使って「寿恵廣」とも書かれ、一対になった白扇は末広がりを意味し、幸せが末永く続くようにと願いが込められます。結婚に直接結びつかないイメージですね。
コンブ-「子生婦」の当て字が使われます。コンブは非常に繁殖力が強く、元気な子供を生んでほしいと願いが込められます。また喜ぶにもかかって縁起物。これは一体いつ食べるのでしょうか。
スルメ-「寿留女」の当て字が使われます。スルメは日持ちすることから幾久しく幸せな家庭を築く願いと、噛めば噛むほど味が出ることから味のある仲のいい夫婦になってほしいとの意味があるようです。ちなみに妹の大好物。
※コンブ・スルメは奇数の枚数を包むようですよ。
鰹節-「勝男武士(節)」の当て字が使われます。古くは武士の保存食や非常食として常備されていた品で、いざ出陣の時は武運長久の縁起物として扱われていたようです。夫婦喧嘩の時に食べてほしいですね。
熨斗(のし)-アワビを叩いてのした(伸ばした)もの。食べてみたかったのですが、部外者なのできっと駄目でしょう。
結納金-人身売買のイメージですね。妹の値段は秘密です。
婚約指輪-「結美和」の当て字が使われます。結納がすむまでつけられないみたいですよ。
結納品一式は床の間に飾ります。
両家、慣れない挨拶を丸暗記のガチガチ挨拶。
この昆布茶にはいったいどのタイミングで手をつけたらよいのだろうか。
通常結納は仲人を介して行うものなのですが、北海道はごったな文化なので仲人は立てずに、両家の挨拶だけとなりました。
関東では半返しといって半額を返す習慣があるらしいですが、それも無く、妹の花嫁道具に化けてしまいそうです。
さて、ここで結納の手順です。
1.床の間に結納品をセットし昆布茶を振舞います。
2.両家全員着席
3.新郎の父、挨拶をしながら目録を新婦側に渡す。
4.新婦側よりお受けの挨拶
「幾久しくおうけいたします。我侭な娘ですが、どうぞよろしくお願いいたします。」
5.酒肴配膳
酒を飲みながら豪華お膳をいただきます。両家が酒飲みなので我が家では10リットルの生ビールと日本酒を用意しました。
雑談と、幼少期の話など、当人たちには赤面のトーク。2時間ほど飲み食い。
6.解散。新郎側が帰宅します。
料理は全て仕出し。二の膳もついてくる。
略式且つ、北海道の結納なのでこれから結納される方には勝手が違うかもしれませんが、全部で3時間程度で終了しました。
どんどん結婚や結納が簡素化されてきていますが、日本ならではの文化なので、式は地味でも結納はやってみてもいいのではと思いました。
近い未来にもあまり縁がなさそうですが、楽しい初体験で、自分の結納にも役立てられたらと思います。
おまけショット。
結納後の寂しげな父。
TOPへ戻るTOPへ戻る 前へVol.03 ハジメテノピッツァ Vol.05 ハジメテノあかすり次へ この特集の一覧へこの特集の一覧へ

\18,000-