秘湯

Vol.06

冬には猿も訪れる、川の温泉初体験!
その言葉だけでどきどきしてしまう響き、秘湯。
群馬県は、携帯電話も通じないほどの山奥にまで出かけてきました。
Text/Photo:遠藤 香
東京から駅弁を食べながらのらりくらりと電車で2時間半、バスに揺られて30分、群馬県は吾妻郡六合村に、その秘湯がありました!
名前からもイメージがつきそうですが超ド級の想像通りの田舎です。コンビニも勿論なく、携帯電話も使えないほどあたり一面山、山、山!見たこともないような巨大なトンボや、名前もわからないような虫たちが、ビュンビュン飛び交っておりました。その名も尻焼温泉!
名前の由来は一説によると、湯の効能が「痔」に効くからだとか。なんだか、湯が癒された痔のエキスまみれな感じがします。
温泉は長笹川の川底から温泉が湧き出す自然豊かな温泉地。川がせき止められ、30メートル四方もある雄大な露天風呂が作られています。

上流では、冷たい川で泳ぐことができ、また下流では中流の温水が流れ出すため、浅瀬で川遊びを24時間楽しむことができるんです。
旅館の人も「海の家感覚で自由にくつろいでください」とのこと。部屋で水着に着替えて早速川へ。(部屋には「猿が出るので窓は開けないでください」の貼り紙が。)

鳥飯弁当とビール。
旅の醍醐味です!
浅瀬で川遊びの子供たちがお出迎え。気温は高いがすごしやすい。
下流は、温泉の湧き出る中流より流れ出た温水で、温水プールほどの水温。浅瀬では子供たちがおおはしゃぎ。深い部分もあるので、岩から飛び込んだりもできます。ただ、プールと違い、自然の石・岩でできているので不意に足をとられ溺れてしまうこともしばし。ちなみに私も溺れてしまい、知らない子供の足を掴んで助かりました。
中流は本格的な温泉!水底からぼこぼこと温泉が湧き上がり、かなり温度も高い。深いところに入ろうとしてもあまりの熱さに、悲鳴を上げるほどでした。
早々にのぼせてしまったので、上流の川へ。こちらは中流・下流と打って変わって、水温はかなり冷たい。しかも深さがかなりあるので、泳げない人には無理かもしれません。もちろん自然の川なので、動物もいます。比較的ぬるい部分には足と手が生えている無数のおたまじゃくしが・・・。本当に無数というほどどこを見てもいるので、踏みつけそうでかなり鳥肌ものです。「キェェ!」と寄生を発し、岩場で大転倒してしまいました。

上:水底からぼこぼこと湧き出る熱湯。熱くては入れない部分も多い。

下:映画「ザ・ビーチ」さながらに浮かんでいる人を下流の川で発見!気持ちよさそうですね。
夜はさすが山なので空気が冷たくなります。
夜の入湯は、宿から懐中電灯を借りて川へ向かいます。かなり険しい道なのでお年寄りにはちょっと危険かもしれません。
昼間は熱くて悲鳴を上げた中流の温泉も、周りの空気の冷たさに何時間でも入っていられるような心地よさ。月明かり一つの為、夜は水着も着ずに全裸の人も多く見かけられました。いちゃつくアベックもいて、見てはいけないような気がしたので大またを広げてビールを飲むおじさんをずっと見つめていました。
まるでつげ義春の世界!昼間から全裸の人も多かったです。
湯の効能:動脈硬化症、切り傷、やけど、慢性皮膚病。神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進。
自分で岩をよけ、マイ露天風呂を作ることももちろんできます!
混浴なので、気になる人は水着を持っていくことをお勧めします。
普通の温泉に飽きた・・・という方も、川の温泉を体験したいとい・・・う方にもかなりお勧めの温泉体験となりました。
TOPへ戻るTOPへ戻る 前へVol.05ハジメテノあかすり Vol.07 ハジメテノ豚足次へ この特集の一覧へこの特集の一覧へ

\22,000-