豚足 Vol.07
ジャンケンではグーにかなわない可哀想なチョキを食べました。
豚足とはいったいどういうものなのだろうか?気にも留めたことがなかった為、メニューで見ることも、誰かが食べているのを実際に見たこともありませんでした。好きな人は好きというし、気になる豚足を初体験してきました。
Text:堀江健太郎
まず豚足を食べようと思ったのですが、豚足は何料理なのですか?どこのお店に行けば食べられるのかも謎です。なんせ私は生まれてこのかた、豚足を見たことがないからです。なんとなく焼肉屋のイメージがあったのですが、数人に尋ねてみると「中華」じゃないか?と回答が多かったので、久しぶりにやってきました中華街。私の住まいは電車1本30分あればこられる環境ですが、そう通うようなところでもなく、きっと年に1回来ればいい方だと思います。

↑近隣の中学生が部活の外周で中華街を走っている所。

←中華街の電柱は朱色に塗られ、看板は黄色と特別仕様。
中華街の道分類として、縦に伸びる大通り。その大通りを横につなぐ車1台分くらいの通り。そこまでが一般的に観光で足を運ぶところだと思います。人によると横道ですらそれなりの雰囲気があるので、躊躇する人もいるかもしれません。そして、その横に伸びる通りから、さらに毛細血管のように細い路地が入り組んでつながっているのです。ここへは滅多に行くこともなく、今回私も初潜入です。なんだか中華街通になったようで天狗気分です。
台南小路という通りへ入りお店を発見しました。ついにここで豚足か。そう考えると逃げたくなるのですが、気を引き締めて突入です。今回お世話になったのは「ニーハオ」というお店。お店の外にはちょうちんや爆竹がぶら下がっていて、意外と中華街ではみられない中華街っぽい光景です。それほど大きな店ではなく、4人テーブルが6個くらい。1人の私はカウンターへ。メニューから豚足を見つけ、初めてがバレないように胸を張って豚足を注文。しかし豚足だけ食べるのも怪しいかと思い、青島ビールも一緒に注文。シラフじゃ食べられません。
店内を見回すと、すごい数のサイン色紙が飾られてます。のりPから世界の小澤まで様々。雑誌の切抜きなども飾られていたので、それなりに噂のお店だったのかもしれません。これは豚足も美味しく出してくれるんじゃないかと、期待が膨らみます。
待つこと10数分。やってきました豚足で…す?私が思っていたのとは違う豚足が到着しました。私が思っていた豚足は、見たまんま豚の足を蒸したか茹でたかした、白いくて酢味噌かなんか付けて食べるやつです。しかし到着したのは調理されてあめ色の、ごろごろとブロック状の料理です。とはいえ違う料理とは考えにくく、見たことないそれはやっぱり豚足なんだろうなと思わせます。きっと豚足をブツ切りに食べやすくしてくれてるのでしょう。豚足の食べ方も知らなかったので、食べやすくなってひと安心。
調理もされているし、箸で食べるのかと迷いましたが、豚足は手という固定観念もあり、手で取りかぶりつく。ガッ!食べようと思ったところは骨でした。気を取り直すも、食べるところは全て骨。なんだこれは。この皮を食べるものなのか?しかも、その皮すら外国製グミのように、噛み千切るのに力がいります。触感は多少コリコリと、そしてヌルヌルと、歯ごたえのあるゼラチン質。豚足自体に味は無いようで、豚肉よりも強めの豚の匂い。 味付けは醤油ベースですが、かぶりついたとたんに八角を使っていることがすぐわかりました。実は八角の甘い香りはあまり得意ではありません。しかし今回は香辛料がなければ、豚臭くて食べられなかったかもしれないので感謝です。

これは食べる所ではなく、骨です。ほとんどが骨。
実際問題、この豚足が旨いのか不味いのか全然分からない。豚足好きな人はいったいどの部分を美味しいと言っているのだろうか。豚足の味なのか、匂いなのか、食感なのか。終始疑疑問符を頭に浮かべて食べてました。 何個か食べるものの、いまだにどの部分が食べられるのかさっぱりわからない。どこもかしこも骨ばかりなのである。おそらく5mm以上食い込むような部分はなく、どちらかというと、すく・こすというイメージの食べ方。骨と皮がしっかりくっついているので、やたら食べるのに力とコツがいる。
盛られた豚足は全部で8個ぐらいあり、おそらく豚の足2本分かと思われます。しかし5個あたりですでに限界。食べても食べても無味。そして香りは八角。食感はゼラチンぬるぬる。いい加減気持ち悪くてしょうがない。1個食べるにも時間がかかるので、お酒のつまみに、大勢でちょこちょこ食べるにはちょうどいいかもしれないけれど、1人でこれしか食べるものがなく、休まず次から次へと豚足を食べるのはたぶん間違いなんじゃないでしょうか? それでも初の豚足を食べ残すのは悔しいし、お店の人にも悪いので全部たいらげた。後半は豚足を食べるという意思よりも、これを食べたらガリガリ君という、口直しを目標に頑張って食べました。
後半はとにかくサッパリしたものが食べたかったです。
たいらげた事にとりあえず満足。実は当初の予定では、いろんなお店の豚足食べ比べをするつもりだったのですが、もはやその気はなくなり、これにて終了を決断。けして不味いものでもないし、今後毛嫌いして食べない事はないと思いますが、自分から進んで食べることもないかなと思います。そして1人で食べてはいけないと思いました。
中華街は夜が綺麗。
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