自作フランス料理

Vol.13

果たして自宅でフレンチを食べることはできるのでしょうか。
フレンチに詳しいわけでもなく、食べなれているわけでもなく、妄想に近いフレンチ・・・作ってみました。
Text/Photo:遠藤 香
フランス料理が食べたい!急に思い立ってしまったのですが、銀行に行くのも着替えるのも面倒。なによりお金もない!
そんな貧乏根性から自作してみることにしました。・・・ですが頭の中の料理がどうにもイタリアンと混じってしまっている。
まぁ、おいしければいいか!ということでスーパーの割引タイムまで待機。9:00を過ぎたところで、いざ出陣!
メニューも考えず、割引されているものを順にかごへ。本当にこんなに適当でいいのでしょうか・・・。
とりあえず野菜をボンボンなべの中へ!コンソメスープ作りです。みるみる灰汁が出てまるで魔女の鍋です。灰汁対策に卵の白身を投入!どんどん灰汁が吸い取られます。塩コショウなどで味付け。

次に秋刀魚をおろし、さらに盛り付け、しょうがとバルサミコ酢、香草類を刻んだものをかけて軽く味付け。「あー醤油で食べたい」と邪念と格闘。すでにくじけそうになってしまいます。今日は我慢だ、がんばれ自分。次はメインに取り掛からねば。

クルトンとパセリを浮かべて。
あー油がのってる。お醤油〜!
アナゴに塩コショウ、白ワインで下味。しばし寝かす。ジャガイモを黒こしょうと生クリームでやわらかめにバターで火を通す。アナゴもバターで火を通す。重ねてミルフィーユにしようとしたのだがここで事件が。アナゴが丸まってしまった!やはりアナゴは長いままで具ざいを中に入れて花のように丸めるべきだった・・・。重ねるにしても焼いてから切るべきだった・・・。
後悔は本当に先に立たないですね。ちゃんと調べてから作ればいいのに。すっかりくじけてしまったのでソースは本当に適当に作ってしまいました。フレンチのはずなのに、醤油も入ります。この時点でかなりやる気がなくなり、ビールを飲み始めてしまいました。
気を取り直して、サラダのドレッシング作り。アンチョビや香草類、パプリカを目に見えないほどの小ささに刻む。『ミクロの決死圏』気分。
それをオイルと和え、味を調える。このドレッシングは得意なので間違いないでしょう!(イタリアンぽいけど・・・)

上:アナゴが丸まってうまく重ならない・・・。くるめばよかったのか・・・。見た目は割と最悪ですね。

下:パンはライ麦。雰囲気作りに三角に切り軽くトースト。
ここで改めてメニュー紹介。コンソメスープ・パンチェッタとレタスのサラダ・秋刀魚のバルサミコとしょうがの何か・アナゴのミルフィーユ。
いざ試食です。スープは野菜の臭みもなく、灰汁をしっかり取ったので何の問題もなくおいしい。秋刀魚もおいしいことはおいしいのだけれど、やはり醤油で食べたい・・・と思わせる程度の味。サラダはかなりイタリアンっぽいですが、おいしかったです。そしてメイン・・・非常に食べにくい。やはりアナゴの調理法に問題があり、ジャガイモと同時に食べることはできないのでばらして食べました。
パンチェッタとは塩漬け豚バラ肉です。個人的に生ハムよりすきです。
ドレッシングはあるものをどんどん刻んでいきます。
彩りがよければそれなりにおいしそうに見えるもんですね。
味付けは、諦めて醤油を使ったので何の違和感もないです。寿司屋のアナゴを想像してもらえればかなり近いです。全体的に、ジャンルのない料理になってしまい、がっかりしてデザートに梨を食べました。実はこれが一番おいしかったです。 やはり自作フレンチは無理でした。フレンチが高いと感じるのは、それだけ技術も材料も全て完璧だからなんでしょう・・・。
改めて外食産業のすばらしさと、できもしないのにやってみてしまう自分の浅はかさにうなずく結果となりました。
ただ、金額的には一人1000円という低価格だったので、酒のつまみ程度にまた作ってみてもいいかなーと思いました。
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