みなとみらい線 Vol.26
温故知新。横浜の未来と歴史に触れる電車に乗ってみる。
横浜の主要地区を結ぶ新しい路線が今年2月に開業した。それが「みなとみらい線」である。この電車に乗るといったいどうなるのか、初乗車してきました。
Text:堀江健太郎
みなとみらい線は以前から存在した東横線の、横浜駅移行を新しく引き直した部分をいいます。お互いの路線は乗り換えなしの相互直通運行している為、渋谷から中華街まで直通で行ける便利な線路が開通したというわけで、開業当初は連日満員でした。さすがに今では落ち着いたという事で、1日乗車券を購入してじっくり見てまわることにした。
横浜駅は以前使用していた東横線の横浜駅に代わり、新しく新設されていた。以前は地上にあったのに、地下深い駅になってしまい、改札へたどり着くまでに本当にあるのか不安になってしまった。駅はさすがに綺麗で広々。どことなく近未来を思わせます。
電車は2分もすれば隣の駅です。お隣は「新高島」駅。観光というよりもショッピングが中心の駅です。横浜駅とは違い柱や天井までメタリックなホーム。地上へ上がるとまだまだ開発地区と思わせるだだっ広い空き地。天気も良いしせっかくなので、隣の「みなとみらい」駅までは歩いて行くことに。
空き地があるかと思えばその先には近代的な建築物の山。不思議な風景が広がります。新高島駅から広々と整備された道をまっすぐ進めば、ランドマークタワーとクイーンズスクエアの間へ到着します。みなとみらい駅はクイーンズスクエアの地下にあり、長いエスカレーターを下っていくとショッピングセンターの中から地下鉄のホームが見えてきました。生活空間と交通機関が融合しているこの光景は今までに見たことがない驚きです。
駅の改札外のコンコースでまたビックリします。体育館のような高い天井へ映し出される映像。ただの広告映像かと思えば、人感知センサーを装備していて、通行する人の動きによって映像に変化があるのです。知ってる人はそれを気にしてみていたり、知らない人は足早に通り過ぎていく、どんな人へも反応をするその映像をみているのは楽しいです。日常とアートの共有が日本でも広まってきたのだなと、嬉しく思います。
みなとみらい駅はこの路線の中心的な駅でもあるので、ひと際凝ったつくりの特殊な駅でした。そんな埋め立ての新しい街の隣は歴史のある「馬車道」駅。ホームは一面レンガになっていて今までの近未来的な雰囲気とは違い、歴史を感じさせます。この駅は横浜銀行旧本店の下に作られ、その際取り壊すこととなった歴史的なものを駅のオブジェとして飾られていました。地上へ上がるといろいろな歴史を目で見て知ることができます。各所に地図と解説が設置されているので、見て回るのも面白いと思います。
次の駅は「日本大通り」駅。神奈川県庁へはここからになります。キング、クイーン、ジャックと呼ばれ古くから親しまれる建築物もこの駅です。今までの駅よりも落ち着いた大人っぽい雰囲気がしました。
馬車道駅近くにある「アイスクリーム記念碑」。この地がアイスクリームの発祥の地とされています。
終点は「元町・中華街」駅。ホームはまた今までと違った変わった趣向で、この地の古い時代の写真がプリントされています。雰囲気としては歴史資料館などで見る、年表の屏風に書かれている絵のよう。色は全て薄いグレーで描かれていて、気にしなければ無機質なモザイクのようにも感じられる微妙な塩梅で作られてます。地上へ上がれば中華街、横浜港の灯台にもなっているマリンタワー、そして海辺の山下公園へと行けます。
新しく線路を引き直したという事もあり、この電車に乗れば横浜の遊び、観光、そして歴史といった全てを知ることができ、駅自体も建築物として新しい試みのされた建物であり、みなとみらい線全てをまとめて横浜の今と昔をつなぐテーマパークのようでした。 みなとみらい線
横浜駅〜元町・中華街駅区間の乗り降りが当日限り何度でも可能なお得な1日券。1区間200円なので3回使えば元が取れます。
大人450円、小児230円
(みなとみらい線各駅券売機にて販売中)
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